またこっそりと書く

 児相の件、読みました。
 正直に言うと、彼女(?)の過去の記事を以前読んだことがあったのですが、スルーしていました。ひどいヤツです。
 以下、多分言い訳にしかなってないと思いますが書いてみます。
 私が昔いた会社でASPがらみの法的な問題を処理するようなことをやっていたことがありました。
 親会社が大企業だったため、地元の法務局の近くに事務所を構える弁護士事務所と法人契約を結んで、当時、多い時は週2(そういう契約だった)で押しかけていたものです。
 刑事事件に繋がる事案は非常に簡単で警察に相談すれば済む(もしくは保険会社経由)のですが、刑事以外はその道の専門家(弁護士など)に助言を受けながら主体的かつ効果的かつ適切に行動しなければなりません。
 ASP側の担当者が素人であるからといって、当然のことながらユーザーは被害や問題行動を放置し続けることに悠々と待ってくれることなどありません。
 はてなの運営会社である株式会社はてなが製品に対する企業法務体制をどのレベルで敷いているのかは分からないですが、今回の件で「行政に相談する」というところからすると、少なくとも流れ作業的な対応をとるようにはなっていない、ということだと想像します。
 大手プロバイダは児童虐待防止法以降、児童虐待を触れずに締め出す方向(利用規約に禁止事項と謳い、違反した場合は削除及び利用停止)になっています。悪く言えば、臭いものになんとやらということです。
 ただ、今回のように禁止事項に抵触した部分を削除すればいいとか退会させればいいという考え方では、プロバイダの法的な責任を逃れることはできても道義的な責任を追及されかねないことも事実だと思います。
 当時、私の抱えていた案件の環境は、幸いなことにISPASPが同じ(正確には、双方投げている会社が違うので完全に同一とは言い切れないが)なのと、ASPユーザーと個人情報がASP運営側で一対一に対応している関係上、速やかに対応しなければならない事案(当時想定していたのは、犯罪予告とか自殺の予告など)に対しては、個人情報云々を検討するより先にリアルで対応しろということにしていましたし、それが可能でした。
 多分、当時の環境において今回のような指摘がなされた場合、当時想定した事案ではないにしても、個人情報保護法の個人情報保護方針(プライバシーポリシー)に従って(第三者への提供の項に当該ケースで提供可能な旨が明記されている必要はある、あと各サービスの利用規約にも。ただし、法的に揉めても児童虐待防止法が通告に関して上位法なので問題はないが説得しやすいことに変わりはない。)速やかに対応できたのではないかと思います。
 しかし、今回の場合は、ISPはほぼ匿名でASPとの連携(個人を特定する情報の紐付け)も独立系なのでないとなると、ISP側が書き込みログのIPを引いて地域を割り出し、そこの管轄の法務局にログと書き込み内容を提示するなどしながら、プロバイダ責任制限法経由でISP側で個人を割り出させて、ISPASP連名またはISPが管轄の児相および都道府県管轄部局(某事件のように児相と連携がとれていない地域もあるため)、場合によっては所轄の警察(議事の内容が生命維持において緊急性を要すると判断されるような場合。基本的には都道府県管轄部局が行うはず)に通告、連絡する形になるだろうなぁ・・・と想像しただけで空恐ろしくなり、その時見ている内容すべてを空想とおきかえてブラウザのタブをそっと閉じてしまったように思います。
 今回の件で、こういったジャンルの話をちょろちょろ書いていながら、全速力で逃げていた自分に気づかされてしまいました。
 今読んでいる文章の向こうには、リアルの人がいて、その人にかかわる人が周囲にいるということを十分に認識しなければならない、とあらためて思い知らされました。