混ぜっ返す
既に期が変わって過去に葬られようとしているアニメ「くまみこ」なのですが、なぜかその界隈がほんの少し動きが見られたようなので調べてみると、オフィシャルサイトで混ぜっ返していたらしいです。
消えるかもしれないので以下そのコピペ。
『
「くまみこ」を応援して頂いている皆様へ
2016/7/7 | インフォメーション
TVアニメーション「くまみこ」に関しまして、
まずは原作・月刊コミックフラッパー編集部の正式な許諾を得て、
監督・脚本はじめアニメーション制作スタッフの総意と製作委員会合意の下、
しかるべきプロセスを踏まえて制作されていることをご報告致します。
ひきつづき、コミック、アニメーション、
「くまみこ」の応援をよろしくお願い申し上げます。
以上
』
コピペここまで。
で、とりあえず、オフィシャルサイトで告知する意図がまるっきり記載されておらず、何に対する報告なのか全く開示していないためにどのようにも取れる、言い方を変えればいかようにも悪いように解釈できる構造になっているために文意とは別な意図として煽っているのではないのか、と捉える者も現れる有様で、危機管理の緩さとちぐはぐさに涙を誘う状況ではあろうかと思います。
『合意』『しかるべきプロセス』などというビジネスの現場寄りな用語を視聴者である学生あたりから私などを含めた大きなお友だちまでを閲覧対象とするオフィシャルサイトに投下している関係上、いっそう違和感が強くなっている気もします。
前回の記事で視聴者の当事者性について書いたりしましたが、文面の目的は別として、文面を表面的に認識したとして、製作(『制作されている』という言い回しが意図して「製作」側を除いているわけでないのならば、であるが。)は正しく運営されていた、いわゆる契約不履行などに伴う過失責任が存在しないということを説明したように受け取ることができるように思われます。
ただ、視聴者の当事者性から考えてみれば、それらの契約事項などとは無関係であるため、言ったところで意味がないかもね、というのが前回の主旨でした。
某掲示板にも、視聴者からすれば、決められた正しい方法で作ったかどうかではなくて、その方法で作成された作品がつまらないことが重要、と述べている者もいて、捉え方としては似ている気がします。
さて、アニメや映画などのファンの人なら聞きかじったことのあるはずの製作委員会方式ですが、その説明は他に譲るとして、その権利構造や契約関係は思った以上に複雑になっています。
とはいえ、もともと人気が出てしまうとか大型案件であるとかという作品において結果として権利構造や契約関係が複雑化し競合や相反などによる消耗と機会損失を最小限にするために最初から考慮してしまっときましょう的な面も存在するため、ある意味致し方ないところもあるようです。
また、単純な組合形式の製作委員会ではなくSPC(特定目的会社。なぜSPCなのかなどのからくりは別に譲る)を設立する形式などを用いた場合など一段と分かりにくい構造になっていることもあります。
ただ、あくまで製作委員会のメンバー(構成する企業群)によるカネ(もしくは資源も含まれるかもしれない)と権利と責任を規定する契約がもっとも重要な位置を占めていることに変わりはないと思われます。
前回は面倒くさいので書かなかったわけですが、こういった点から製作委員会のメンバーの一社に投資と利益の観点から圧力をかける方法が存在するにはします。
それはとりもなおさず株主としての行動の一環として行うという方法です。
ただ、あまりに現実的でないのは、少なくとも株主提案権ぐらいは持っていないと聞き入れてもらえる可能性は限りなくゼロに近いことでしょうか。
例えば、今回のアニメ「くまみこ」の製作委員会のメンバーは、株式会社KADOKAWA、株式会社エー・ティー・エックス、株式会社キネマシトラス、株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズの4社ですが、単独で上場している企業はないですし、親会社、例えばカドカワ株式会社(株式会社KADOKAWAの100%を保有)だと、数千万ほど(計算あってるよね?1500円ぐらい×100株×300議決権のはず。)突っ込んでおく必要があるわけで、そんなカネが常時あるのなら別の方法(権利関係に直接からむとか)がありそうな気もします。
と、まぁ、そんな形で責任問題を追及された場合には、先のようなある意味言い訳っぽい説明がなされていそうな気もしなくはないのですが、あまりの現実的のなさに多分そんなやり取りの中で生成された文面ではないのでしょう。
次に考えられることとしては、内部で問題視されるような状態になったという可能性も考えられます。
製作側はいつものメンバーで気心の知れた仲なわけで問題が起こるはずもない(起こったとしても今後を考えれば問題にしない)ので、起こるとすれば制作側の可能性が高いわけですが、制作側の何らかの契約問題なりで提起されることがあったとして、それに用いる文面としても機能しそうな気もします。
ただ、それをオフィシャルサイトに掲示するべき内容かどうか、内容を視聴者へ勝手に拡張してよいのかという問題があるため、多分間違っているのでしょう。
結局、クレームが多いのを上にあげたらこんな文面が返ってきて、さらに上から「くだらんことで俺の手を煩わすな!何度も言われるんならウェブページにでも貼り付けとけ!」などとぶちきれられた結果の産物な気がしなくはないです。
昨今のバカッターとかと構造は同じで、企業でも内部の恥を業務として外部に送りつけるような事案は法的にいろいろあるので目立たないだけでかなり多く、レベルの低い領域では身近な存在といえるので。
さて、今回はどうなるのだろう、とか思ったりもしますが、できればもう安らかに眠って欲しいのが正直なところです。