昨日のWBS

 アサヒビールアンハイザー・ブッシュ・インベブ所有の東欧ビール事業を買収した件について報道された。
 で、それはそれで、そもそも社長が海外事業の強化をことあるごとに口にしていたことからして、「ああ、そう」で終わってしまうような話ではある。
 私でさえ、仕掛けるなら多分相当カネを突っ込んでくるんだろうなぁと思っているぐらいなので、株式市場などでは折り込み済かと思っていたら、ご祝儀ということでちゃんと値を下げていたらしい。
 海外経験のほとんどない私からしても様々な情報から「国内市場が縮小するので海外へ」という内容がもはやすべての品目で当てはまらないのは感覚的に知ることが可能であって、およそビールもその領域であろうと思う。
 また、比較的販売単位という意味で低価格商品であるがゆえに必ずしも数が出ればOKな世界でもなく、もはや薄利多売が可能な企業といった勝者は既にそこに存在するわけで、新たに参入する、もしくは買収するなどで参入しても簡単な手法で成功を収めることは容易ではない。
 そういった実情を踏まえた上で、番組内の構成がどうなるのかと考えたときに、どうしてもネガティブな方向に解説するよりほかなく、メリットとして企業側がプレスリリースする歯の浮くようなことばや会見での社長の主張ぐらいを繰り返すぐらいしかないのではないかと思って観ていた。
 で、番組では、国内他社も海外のビール事業をいろいろ買収してるよ?でもサントリーはビールじゃなくてビーム社買収したけどね、と結構深堀りするかにみせた途端、ぶった切って別のニュースに移ってしまっていた。
 サントリーを引き合いに出すなら既に手を引いてしまったけど自前で現地でビールを造ったサントリー中国を忘れないであげてね、という気もするが、それはそれとして、キリンのスキンカリオール(今はブラジルキリン)はある意味かわいそうな話でもあるのでふれないであげて欲しい気もしたのである意味ほっとしたりもした。
 というのも、この件も新興国だからといって人口増えるから何もしなくても商売を続ければ自然と儲かるという構図は成り立たなくなってきているということなわけだし。
 あと、買収するといってもその企業の商品、ブランドなど心底どうでもよくて、流通や販売網、既存顧客などのインフラが欲しいだけの場合と、自社商品と分け隔てなく併売し、やがて自社商品(自社ブランド)が現地化してもブランドの委託製造などで間接的に儲けを得ることが可能な形態をとるのかなど目的は様々で、今回のアサヒビールの件はイタリア、オランダとかのビール事業を買収した件と同様に自社商品の販売網が欲しいところにあるのではと想像する。
 そういう意味では、買い物として高すぎるということなのだとは思うが、偉い人の考えることはよく分からなくていいんだとも思うが。

 まぁ、それはそれとして、個人的には買収したならちゃんとそのブランドを国内に輸入して流通させて欲しい、というぐらいだろうか。
 国内企業が海外企業を買収したにもかかわらず、それまで輸入されてきたの(多分、商社などの販売代理店契約などによるもの)がなくなって市場から消えてしまうというデメリットしかない状況に立たされたことならあるので。
 言っても詮無いことだが・・・・