昨日のWBS

 コイケヤの一部販売を休止していたPRIDEブランドの商品が再出荷されると報道していた。
 実のところ、最近コイケヤの商品に一切言及していなかったのは、ある程度は訳があって、それは特殊なフレバーのポテチがでないから、というのは関連してはいるが、あたっているわけでもない、という歯切れの悪さではある。
 で、今更ながら当時の話をすると、PRIDE系の商品もその話題性から試さなかったわけではなく(いや、まぁ早々に休止中になったのは買えなかっただが)、外部から見える、想像できる組織体制や方向性からなんとなく私には適切に判断できないかなぁ、と思っていたのもある。
 また、当時の中小企業が発売して話題になっていた工場直送のプレミアムポテトチップス系と基本的には対比すべき商品カテゴリなんじゃないのかなぁ、と思っていたのだが、それを手に入れられなかった(だってかなり高いし)のもある。
 とはいえ、そもそも論として、貧乏舌で味音痴な私が判断とか評価とかすること自体おこがましさにも程があるといえばそのとおりで、そういう意味で、あくまで個人的なメーカー全体としての感覚として、その特徴を書いてみる。
 けども、ネガティブなことしか書けないと思うので、関係者やファンの方がもし読んでいたりするなら、そっとブラウザを閉じた方がいいような気はする。

 まず、最大手のカルビー
 個人的に食べた量が格段に多く、自らの味覚の標準となっているため、特徴がどうのとは言いづらい。
 ただ、大昔と比べて食感としての油脂量が少なくなりよりイモらしさがある気がする。
 また、その関係からか、薄めで乾燥の度合いが高い(最近は破損し易いためか若干しっとり気味な気もする)ように感じる。
 ただし、厚切り系はまた別なので除くとして、だが。
 他方、コイケヤ
 商品によってばらつき(というか製法を変えている?)はあると思うのだが、方向性としてはツマミ寄りな感じで、パリパリッとしているのだがある程度間隙がある構造らしく、噛んでも単純な破片(例えば卵の殻のような状態)にはならないところが特徴ではないかと思う。
 あと、特殊フレバー系はその味云々は別にして食感としての塗布技術に一日の長があるように感じる。
 実は、個人的な好みではあるが、カルビーコンソメパンチとか限定フレバー系は味はいいのだが食感と食後の口内の状況があまり好きではなかったりする。
 コイケヤは味は別として食感はどちらかといえば粒度が小さめな粉体っぽさがあるので、好み的にはこっちがいいというだけである。
 いずれにせよ、定番のノーマルフレバー系はどちらかというとビールとかのおつまみ的なものとして合うような設定であるような気がする。
 で、新社長肝いりのPRIDE系。
 イモ自体の食感としてはカルビーよりに振っていて、食べ比べたわけではないが厚みの割にはかなりマッシブな感じがした。
 ただ、それが思いつきもしなかった新食感というようにも思えないし、どちらかといえばカルビーの方向性のどこか派生したもののように感じた。
 次に、味付けだが、表面が粉体っぽくなるのは変わりないが、味がかなり薄めに設定されているため、技術的持ち味を出せていないのでは?と思えた。
 また、イモや製法にとにかくこだわったこれまでのコイケヤを訣別するぐらいの意識があるというのなら、プレーン(塩だけとか場合によっては塩抜きでもいいかもしれない)も出してその自信を見せ付けて欲しかったのだが、こだわっているといいつつ内心自信がなくて、なんとなくフレバーでごまかしているのではないか、という気がしてブランドの特異性を毀損しているように思えた。
 あと、貧乏臭い話ではあるが、封入重量が少ない関係上、そのことをプレミアム感として受け取るかどうかがあろうかとは思う。
 個人的には、商品を手に取った時、「めっさ軽ぅ!」とネガティブに振れるのはしょうがないとして、せっかくパッケージにマチをつけて箱型にしているのだから、袋自体厚手にして商品を手に取ってから袋を開けるまでの手触りや質感を通じた高級感を演出する気はなかったのか、という気はした。
 加えて、パッケージにある創業時の云々という演出はありがちとはいえ、それはいいとして、確か創業者の小池氏は飲み屋で手揚げしていたポテトチップスがうますぎて、これを世に広めたいってのがきっかけとかいうのを雑誌か何かで読んだ気がするので、高級、高価なものをこだわって作ることが創業時の精神だと読み替えるには少々強引な気がした。
 さらに、ここまでくると、ただのいちゃもんレベルではあるが、この商品を前後してだと思うが、CIにも手を出してロゴを変えてみたりとさすがにいろいろ同時にぶっこみ過ぎなんじゃないのかなぁ、と思ったりした。

 で、今回の商品に氏がどの程度首を突っ込んでいるのかは分からないが、キリン時代にFIREや生茶といった本物志向、プレミアム路線でヒットを生み出してきた人物であるがゆえにその商品開発に関する方向性として符合する部分は多いように思える。
 ただ、個人的に氏が別格あたりを手がけるあたりから何となくその神通力は失われていっているような気がしてならないわけで、今もなお生茶とかで雑誌等をにぎわせた当時、商品開発に関して「驚き」がなければ商品化しない、と断言していた方針が変わっていないとすれば、その「驚き」が少なくとも私という一消費者には認知できないエリアにスコープされているか、もしくは本質的に購買行動に結びつく「驚き」ではなくなっている気がする。
 昨日、手作りパンの件で手間、面倒臭さ、作業量から考えてそれが適切に価格に転嫁されていなさそうに見える乖離について書いたが、それが「乖離」として認知可能なのは、味、品質などにその手間に見合う差異と価値を実感しているからであって、価値を見出せない場合は、厳しい言い方ではあるが、すでに過剰スペックですらなく、無駄なプロセスやリソースが空費されることを価格に転嫁しているだけであって、さらに大きいくくりとすれば、昨今のサスティナビリティの考え方に逆行しているとも言われかねないように思ったりする。
 少なからず、こういった「驚き」はある、としか言いようがない。
 じゃあてめえがやってみろと言われそうだが、やってないからこそ言えることであって、やってたり関係してたりすれば言う訳ないわけで。
 ぶっちゃけ、こうネガティブに振れてしまうのは、供給者側の利潤を大きくすることが主目的で消費者が高い金をはらっている、という図式だけがメインに据えられている、もしくはそう宣言されている商品は、自らの商品選択基準といった行動規範からするとさすがに論外だったりする、というだけという個人的な規律によっているとも言えなくはない。
 その商品を手に入れること自体に驚異的なステータスを付与するような商品でない以上、嘘でもいいから、「高級、高額、すごいでしょ?」ではなく「これまでにないおいしさを届けたい一心で作った」とTVの前では言って欲しい気はするが、番組内での発言はそうではなかった、と思っただけであって、多分それが相手にデメリットなど毛ほどもなってないと思われる。
 とにかく勝てば官軍なわけで、売れてるんだからえんちゃうの?という軽い気持ちでいい気もする。
 最近は、ポテチを買うとして大抵西友PBの「みなさまのお墨付き」シリーズ買ってたりするわけで、お互い住み分ければいいだけだし、どうでもいいかと。
 とはいえ、西友のは厚切り系(波型カット)なんだけどね、、、
 選択を迫られるのは薄切りタイプを指定されて買わんといかん時どうするか、だけかなぁ、、、
 WBSと全然関係がなくなっているので、投げっぱなしで終わる。