あくまで憶測

 個人的に結構楽しみにしてみているといえる割には、企画自体には結構はらはらしていたのが現実になってしまったかなぁ、と思えるのが箸墓の件。
 果たして最初から仕込みだったのか、およそ行為自体が農閑期がかきいれ時になる関係上拙速な対応となってしまったのか、視聴率という民放の宿命なのかは分からない。
 いずれにせよ、情報が出ないということは、逆にいえば、それ以上言わせんなよ、と取っていいということなんだろうとは思うけども。

 で、はらはらしていたというのは、いろいろあって、書けないこともあるにはあるが、とりあえず一般的な話として挙げられるのは、地権者がどう扱うのかによって大きく変わるということだと思われる。
 今回の件で言うと、登記簿まで確認したわけではないので確証はないが、箸墓自体は宮内庁管轄の陵墓なので国有地(正確には国有財産の1つというべきなんかなぁ。国有林とか国の庁舎とかいう扱いとしては全く違うわけだし)だが、まきむく遺跡全体からすれば私有地も多く存在するわけで。
 で、さらに言えば、こういう場合、史跡指定(文化財保護法関連、国の指定)だとか地方自治体の条例とか行政判断によっても地場の地方自治体が地権者として絡んでしまうとさらに面倒臭いことになる。
 実のところ、こういった権利関係を適切に処理した上で、池に入り込んで撮影するところまで可能にするというのは簡単なことではないし、それゆえに局とは無関係に実行される事業に乗っかるという形で番組が成立せざるを得ないのではないんだろうか、と思っていたりした。
 とはいうものの、世の中否定的な考え方ばかりでは何も進まないのと同じで、やってみたら、思いの外、地方自治体が全体を所有し管轄する公園内にある池であるとか、多分水利権をクリアすれば問題がない私有地(というか多分サイズからして法人だと思うけど)の池とかは結構多いという結果なのだと思う。
 また、番組中で中心的に取り扱われる特定外来生物なんかの処理も法的にきつい縛りがある(植物は廃棄のための持ち出しが可能になったはずだが、動物はまだ無理だったはず)のを多分、局側が大学といった研究施設を巻き込んで、例えばNPOらによるかいぼりの企画といったものを補完する関係が存在するのかもしれない。
 ただ、いずれにしても何らかの事業といったものに乗っかっているのにはかわりはないのではないかと思える。
 堅い話、地方自治体の事業としてかいぼりなり池干しがあって、受注者の1つ(いわゆるJV)、もしくは受注者における協力者として契約関係が存在するレベルになっていれば、どっちがいいだの悪いだのというゴシップなレベルを越えていくのだが、さすがにそれはなさそうだけども。

 次に書けないことが多く含まれるであろう池の個別の事情。
 前回の山田池なんかでもしれっと過去の話が出ていたけども、あれはあれで府の事業(ググったら指定管理者制度になっているので、どこがどこまでどういう管轄になっているのかは分からないけども)なので、矢面に立つ必要はないわけで。
 まぁ、世の中、カネと池自体の構造とは関係なく池干しさえできないところも国内の何十万もあるなかではあるという話で。
 何かやばいので終わる。

 3つめは、安全面および衛生面の話。
 よく、芸人に人権なしとかまことしやかに言われたりするが、それでも何かに乗っかっている場合は、何らかの迷惑が芸人以外にまでかかる可能性もある(一応、芸人に治外法権が成立するわけでは当然ないので盛っているだけだが)し、ボランティア契約という形が成立していれば、作業者への何らかの保護が可能だろうけども、地域住民が入り込んでしまうと、野次馬の域を乗り越えてしまうのでかなり恐ろしく感じる。
 画面に「専門家の指導のもと云々」と頻繁に表示されるのも安易に真似されないためのことだとは思うし、現場でもそれなりのフォローはなされているのだとは思うが、いずれにしろ怖い。
 ていうか、標尺をもったまま埋まって身動きが取れないなんてのはトラウマレベルでいやな体験である。
 胴長で躊躇なく泥地に入っていけるのも専門家云々の賜物な気はするが、それも生放送でないとはいえ、はらはらするところであるし、簡単に真似すべきものでもない。
 また、衛生面も同じで、転んで泥が口内に入ったなどで何らかの感染症を引き起こす可能性もなくはない。
 個人的に、前回の樋門(多分、記憶では小型のスライドゲートだったような気がする)から結構な量が漏水するというのは、そもそもの使用用途からして設計上許容されるのかどうかは知らない(一応、排水機場内に水がないことを考慮しなくてよい気もするし)が、漏水によって樋門が崩壊する危険性も考えれば、早急に水を戻すべき(とはいえ、樋門を無理やり開くこともできないだろうけど)だとは思うところを日没までやってたりと、大丈夫だったんやろうか、という気がするというのもあったりはする。

 最後はどうでもいいといえばどうでもいいことだが、局の他の番組との競合とか。
 特定外来生物の話にはつきものの、き○○いアクアリストとかテ○○ストバザーとかに配慮が強いところ、というか強くせざるを得ないところが特に。
 アクアリストはあまり関係ないとして、釣り関係は下手すると完全に競合してしまうので。
 そういう意味でも結構はらはらしていたりする。(多分、想起されるようなコメントや映像はそれなりに葬っている気はするが)



 と、民放の宿命である、ある程度はおもしろおかしくて結果的に視聴率が取れることが表面的にあるとしても、そのバックボーンとしてかなり真面目な部分がないと成り立たないことも理解した上で、さらにあえて拒否するのは単純ではない問題が背後に横たわっているように邪推せざるを得なかった、という。
 「宝さがし」って重機ぶっこんでわさわさ掘り返して何がなんでも見つけてやる、覚悟しろ!ってわけでもなく(確かにそれだと地権者と発掘という開発工事という領域の問題というのもあるかもしれないなぁ)、ニュースになっている理由が裏もなくそのままであれば、逆に大人気ない気がするので、何となくそれは単なる表向き、っぽい気がして、もやもやしたということで。
 いずれにせよ答えは一生得ることはないので空想ということで終わる。