羽ばたいていなければ

 個人的に今やあまり関係のないアメリカ企業の決算をニュースで見ていたりするわけなんだけれども、その中で他人ごとながらとんでもない世の中だなぁ、と思ったのは米キャタピラーの決算の件。
 あまりまとまった記事がなかったのだけども、「Caterpillar earnings: $2.82 a share, vs $2.13 EPS expected (4/24 CNBC)」とかを見るに、ひどく大雑把に書くと、決算発表で社長が「過去最高益やで、どやぁ」と言った後に経理が「まぁ、今期に全力で利益ぶっこんでるからやけどな」と言ったら株下げたみたいな。(あくまでも、大雑把過ぎて正確とは言えないんだけども)
 で、さすがに大雑把過ぎるので、これまたエラーが蓄積する英語ができないヤツがCFOの発言に該当しそうな部分を訳するとすると、「第1四半期の調整後の1株当たり利益は、2018年後半に投資が増加したため、年内で最高となるだろう」、「目標としている将来的な成長のための投資は、残りの3四半期にわたり、より高くなっていると思う」、「この考え方は、第1四半期の調整後1株当たり利益が年内で最高水準になると仮定したものである」という、expectとかassumeの訳し方で180°変わってしまいそうなものだったりするものだけども、なんとなくこれだけは分かる。
 多分、少なくともものごとをポジティブに表現するとダメなんだと。
 たとえ、それが財務的な運営としてリスクを想定する段において検討し得るべきシナリオの1つだとしても、というか。
 何というか、これを捉える側の目線で考えてみると、羽ばたいていなければ鳥は落ちるみたいなもので、じゃあ、鳥は滑空しないんかい、というつっこみを入れる以前の問題として、羽ばたいているように感じられなければ、その鳥は落ちているというのがまかり通っているような気がして、恐ろしい世界だなぁと。
 という一方で「好決算キャタピラー、会見中に株急落のなぜ (4/25 日本経済新聞)」には全く違う理由を挙げているし、よく分からないのもあるけども。
 とはいえ、個人的には『「鋼材の価格上昇が年間を通じて逆風になる」』と発言することで、その瞬間、突如として232条の鉄鋼輸入制限が株価に織り込まれていないと過去最高益であることを帳消しにしてさらに押し下げてまで鋭敏に反応するのか、という気もするので、勝手な憶測として前者を推したかったりする、あくまで憶測として。
 真実がどこかは、まぁ、売った人に聞いてまわらないといけないので分からないんだろうし。