お勤め

 珍しく早い時間に買い物を済ませ帰宅するとアパートに警察官が2名入っていくのが見えた。
 自転車を駐輪場に停め、アパートに入ると呼び止められる。
 ああ、とうとうお勤めする日が来たのね、などと考えながら(うそです。)話を聞いていると、何のことはない、巡回連絡だった。
 これまで頻繁(といっても年単位)に転居していたりしたせいか、巡回連絡は過去1回しか経験がなかったりする。
 実際のところ、警察法などで巡回連絡を行う責めが規定されているわけはないはず(あまり自信がない・・・)なので、国勢調査のようなものでもなく、多分頻度も地域によってばらばらなのだと思う。
 およそ集落内の集まりに参加したらほぼ全世帯と顔見知りになれるような田舎の場合(そんなところに過去住んでましたが)を除けば、警らだけでは犯罪の予防という法に定められた警察の責務を果たしきれないための制度といえるかもしれない。
 また、地域柄、高齢化が進んで独居老人が多いため、亡くなったあとになって連絡をつけようがなくて困るなどということもそれなりに耳に入ってくる。
 うちのアパートの場合は、管理会社が近所でかなり面倒見がよく、管理会社の職員と顔を合わす機会が結構多いので、あまりそのような問題はなさそうだが、うちのような方が多分まれだと思う。
 地域住民同士の関係性が希薄になりコミュニティによる相互扶助が期待できなくなった以上、民生委員や社会福祉協議会だけではなく戸別配送事業者(新聞配達、宅配、配食サービスなど)による地域貢献、自治体の総合支援策の一貫としての各種支援センター、医療機関などの協力とともに、警察もそのセーフティネットワークの1つとして行動することが昨今の高齢化社会においては求められてきているかもしれない。
 とはいえ、多分、警察官がやってきたらそんなことは微塵も感じない人がほとんどだと思うけど。