こんかい(ry。

 ラブライブ!サンシャイン!!第12話で曜が刺身を食べるとかおかしいだろ、と友人から言われたのだが、知らんよそんなん。
 というか、言うなら関係者に言え、っていう。
 まぁ、分からなくはないけども。

 で。
 Webなどでスタッフはキャラの好き嫌いも把握してねぇだろ!ってのはさすがにこれに限ってはなさそう、という気はする。
 設定厨と言われる私からすると、さりげなくいろいろぶっこんでくるなぁ、とか思った口なのだが、どうなんだろう。
 大体、夏みかんがいいとかパンがいいとか好き勝手言われ、箸を割った形跡もない中で唯一曜だけ食べようとしている(実際口に入れているシーンはないが)ことに意義があるのではなかろうかと。

 そもそも、食べ物の好き嫌いに関して設定厨としてリアルさを追求してしまうと、当人の食べ物に関する立ち位置とか、嫌いな食べ物という対象がどういった状況のものを指すのか、という部分に違いが出てこざるを得ない。
 立ち位置というのは、自らが作って自らが食べる、自らが作って他者が食べる、他者が作って他者が食べる(自らの食事よりも他人の食事に触れる頻度が多い)、他者が作って自分が食べる、他者が作って自分が食べさせられるなどの関係や食品に関する知識、金銭的な問題や家庭固有の食習慣など(一般的にはリアルすぎると露骨過ぎて痛すぎるためギャグネタに振れるが)、舞台設定が特定している場合などでは、その地域での特産、本作の場所(静岡県沼津市周辺)であれば、全国的知名度からすると、温州みかん、メロン、お茶、わさび、鯛、かつお、さばなどの鮮魚や干物、あまり知られてなさそうなところでいうとレモン、苺(紅ほっぺ)、芽キャベツとかにからめたり、異世界転生ものとかだと見た目はとても食えそうにないけどうまいとかそういうネタ作りをするとか、家業が一次産業で食料の一部が自給されているとかをいう。
 嫌いなレベルというのは、そもそも各人のレベルが同一線上に並ぶ構造をしているものではなく、各人が同じ状況を呈するポイントが必ずしも存在するわけではないことにも留意する必要はあるが、単純な事例として列記すると、2つ食品が並べられると選択しないもの、食わず嫌い(ネタにされる場合は、さらに細かく分類される)、幼少から食わされすぎて飽きた、食べてあたったのがトラウマになったため食品そのものが怖い、給仕されれば食べるが自らは選択しない、食えといわれれば食う、食べたくはないが最も負担の少ない食べ方を知っている(これに該当する者は、本当に食べられないものを「嫌いな食べ物」欄に自覚の有無に関係なく記入しなかったりする)、口にねじ込まれてものどを通らないなどがある。

 私の場合は、以前の記事でも書いたが、これまで口にねじ込まれてものどを通らなかったのは、ゆずいり豆腐だけである。(ちなみにゆずも豆腐も好物だが)
 また、猫舌なので熱い料理のたぐいは食べたくないと各所で書いているが、のどを通らないことはない。
 ただ、その後数日は流動食しか食べられなくなるだけの話で、「後々食べられなくなる」ということに過ぎない。
 また、辛いもの(唐辛子系)が食べられないのは、嫌いなわけではなくそういう条件下にいるからというだけである。
 カップヌードルトムヤムクンヌードルが結構うまかった、標準サイズで売って欲しいと話すと、あれをか?ばかじゃねーの?とか言われたりしたが、個人的な味覚の嗜好はそういう方向にあるらしい。
 食材そのものに好き嫌いがほぼないため、結局選択の場面で基準になるのは猫舌になるのだが、配慮なき人から「熱いうちに食え」とか言わせないような料理を選択するという考え方はあるように思う。
 点心、シュウマイのような包んだもの、鍋などの常に火力を与え続けているために冷めないもの、あんかけものや粘度の高いスープなどの熱が逃げにくい構造を持つ料理、熱いうちに食うのがうまいという先入観を持っている者が多そうな料理(コロッケやおでん、一部のラーメンなど)は避けるというのもあるが、こういったことも嫌いの一種といえばそうなるかもしれない。

 最近はアニメなどでは、学園モノでも給食をネタにしないことが増えたが、およそ給食に用いられる食材が嫌いな場合は、結構致命的だったりするものだ。
 よくあるネタとしては、食べ終わるまで昼休み中も居残りさせられるとか。
 私が小学生のころは当たり前の光景だったが、最近はそんなことはないかもしれない。
 Aqoursのメンバーでもっとも致命的なのは、花丸の「牛乳」と「麺類」なのだが、どうやって乗り切っていたのか気になるところではある。
 曜の「刺身」とか千歌の「塩辛」、ルビィの「わさび」とかは、給食でまず出ない食材だけに学生の時点であまり気にして克服するようなものでもないような気もする。

 個人的に気になっていたのは、Aqoursのメンバーのなかで、曜の嫌いな食べ物だけ食材ではなく調理法を限定した「刺身」であったり、食感のみを限定した「パサパサした食べ物」という表記になっているのはなぜだろうという点だった。
 某みくにゃんが魚が嫌いと言いつつ、各所でかまぼことかシーチキンとかなら指摘されない限り普通に食べてそうなどと言われたりするのと逆な感覚である。
 要は魚料理というカテゴリにおいて「刺身」以外であれば嫌いの範疇にはない、ということが自ら確認済であることを指すわけである。
 また、「パサパサした食べ物」が大人の事情で商品名を明かせない場合は別として、様々な種類の食材や料理、それも下手とか上手いとかも含めて食べることによって複数の嫌いな食べ物を統合的にその特質を抽出したということになろう。
 そもそもAqoursのメンバーのなかで料理属性を振られているのが設定の段階で梨子だけで、曜は完璧な体育会系のため、本人の料理スキル云々というより、家庭で料理をよく手伝っていて体系的に料理を捉えることができるからだとか、何らかの形で多様な料理を体験する(食べるだけでもよい)機会が非常に多いとかかと思っていた。
 が、第10話で曜は料理が得意ということが判明してしまうという謎な展開(そもそもダイヤの作業割り振りの人選がすべて誤っているというギャグだったのでは、、、と)のため、曜に設定が盛られすぎるという器用貧乏まっしぐらになりかかっている気はした(それも第11話の伏線にはなってはいるのだが)わけである。
 料理をある程度やったことがある者からすると分かるかも知れないが、単純に料理を作る能力よりも失敗した(もしくは失敗しかかった)料理を立て直す能力の方が格段に高度である。
 某グルメな世界では全く意味のない能力や料理の方向性ではあるが、現実には求められることも少なくない能力の1つである。
 調理師専門学校などに通えば体系的に習得することも可能な内容ではあるが、料理の経験から習得できないわけでもなく、鞠莉と善子まではいかなくとも実験的な調理とその結果のフィードバックを繰り返すことで曜はそういった能力を習得したと考えられなくもない。(一応、父のカレーは何にでも合うという形で説明されているが)

 「パサパサした食べ物」が結局何なのかを考えたところ、実験的な料理を結構やっていた、&属性が体育会系で趣味が筋トレというところからして、プロテインを混ぜてケーキでも焼いたんじゃなかろうかとか想像してしまった。
 普通にぶっこんで焼いたら粉っぽいからなぁ、あれは。
 あと、料理の経験が多く、同時に失敗も多いと考えれば、既存の完成品としての料理の中で「パサパサした食べ物」を探してバームクーヘンだとか固ゆで玉子の黄身だとか最中種(あんもなかとかの皮)だとか言わずとも、煮魚や肉料理を失敗してもパエリアのような米料理を失敗しても先述のような菓子類でも失敗すればパサパサなものができあがることもある(当然でろでろの混合体ができることもあるが)わけで、その失敗作を自ら食すことで次回作の文字どおり糧にする場合、嫌いな領域にカテゴライズされても不思議ではないかなぁ、とか思ったりもした。



 まぁ、何が真実なのかは分からないわけだが。
 嫌いな食べ物でも場によってはにっこり笑って率先して食べてしまうことができるといった社会適合性が高いということではダメなんかな、と。
 歳を食ってくると、まだ若いんやからもっとわがままでええんやで、と言いたくはなるが、空想の世界だしなぁ。