訓練

 那須のなだれで亡くなられた方にお悔やみ申し上げるとともに、怪我をされた方にお見舞い申し上げます。
 報道などを見聞きしていると、こういった事件において、危機(リスク)とは何か、危機をどう捉えてどう扱っていくかというリスクマネジメントの点で未だにいろんなものが感情的にごっちゃになってしまっているのが、識者と謳う者にさえ存在するのは居たたまれないように感じる。
 とりあえず、行動や判断の良否はワンゲル部の登山訓練であったとのことなので、登山における流儀に基づいて判断されるところであろうが、行動や判断が不十分であるために訓練を要する場合は、また変わってこようとは思う。
 いずれにせよ、例えば、火災における避難訓練なとどいうものを考えた場合、少なからず、訓練は火災が起き「た」ことに対してそれを行うわけでもなく、現に起きた火災から遡及的に訓練が存在するわけでもなく、その時点(基本的には現時点)より未来における火災の可能性(=リスク)に関してある程度のリスクテイクの結果としての行動であるという認知が必要であろうとは思う。
 そして、またこれは、実際に起こった危機の責任問題等の事象とは相互に関連するものの、別のものとして認知する必要があるのではないかと思う。
 こういった点について混同していると、思った以上に自身の都合にいい解釈を行ってしまい、危機(リスク)に対してのモラルハザードが起こりやすくなったりする。
 今回の件がこういった構造に起因するかどうかは全く分からないが、少なくとも先の識者と謳う者がモラルハザードを助長する方向で一般化して解説してどうすんだ、などと思ったりはした。