透明

 えーと、飲料系で出てくるのがサントリーである確率が高いのは、回し者とかそういうのでは全くなくて、基本的にコモディティ化が進みすぎた飲料系でこういうのはなかったかもとか、思いつかなかった(もしくは思いついてもそれはないだろうと思っていた)のが出ると買ってみているだけ、と言えなくはない。
 過去にも少し触れたが、こういった新しい何かを仕込んでくる飲料を出すメーカーというのは、サントリーの他にキリン、ポッカなどがあったのだが、ポッカは実質的になくなり、キリンは方向性が変わり、残るはサントリーだけになったというだけの話ということになる。
 感覚的には、飲料部門を単独で考えるかどうかによってそういう博打的な商品開発の切り捨て方が変わってくるのかなぁ、という気がするのは、未だにサントリーだけが食品という区分けで扱っている(例えば、他の飲料メーカーが飲料メーカーと組んで共同配送するのとサントリーがラーメン以外の多様な食品を扱う日清食品と共同配送するといった考え方の違いなんてのも1事例かもしれない)ことが、製品が上市される余地として寄与しているのかもしれない、とか考えてしまう。
 で、今回は、透明な紅茶という謳い文句でCFなども打たれている「PREMIUM MORNING TEA」を飲んでみることにした。
 まず、購入時に気がついたこと。
 ペットボトルがへにょへにょである、ということだろうか。
 「いろはす」はあれはあれで慣れた(CFでも結構アピールしてたし)が、それと同じカテゴリだから意識したのかどうかは不明だが、よく似た感じになっているといえばいいだろうか。
 普段どおりのペットボトルのにぎり方で持とうとしたら、思っているのと違うへこみ方をしたので、そんな握力があるわけもないのに商品破壊したか?!とか考えて少し焦ってしまった。
 いいわけだが、「いろはす」のようにボトル上部のろうと状になっている部分は、明らかにごつごつした硬さを感じる段ができているのを除き、多角形上に成型してあれば、結構柔らかいから強度保持のためにやってるんだろうなぁ、と思っていたりするので、それはそれでそういう持ち方をしなきゃ、ということになる。
 一方、ボトル上部の断面が円形なものは、炭酸飲料のような内圧が高いものが入っているという先入観があり、さらには「PREMIUM MORNING TEA」はエンボスっぽい加工が表面になされているため、なんとなくパンパンに張っている、もしくは他の紅茶飲料と同じく硬めだと思い込んでしまったところがあったように思う。
 あと、内容量が550mlのため、天地方向に長い。
 スーパーとかだと棚の上下間隔に余裕があることが多いが、コンビニだと入るんだろうか、とか思ってしまった。
 コンビニに行って見て来るかなぁ。(今回買ったのはスーパーなので。)
 麦茶やミネラルウォーター系で500mlと価格帯が同じ扱いで500mlを越える容量の商品があるが、知る限り径を大きくして対応している気がする。
 あえて径を細いままにするのは、多分、想定購入層である女性の手の大きさを考慮したのではないかと思えるのだが、単に気のせいかもしれない。
 パッケージ。
 発売前から言おう言おうと思っていたのだが、それは、多分、迷いがあるんだろうなぁ、ということである。
 少なくともパッケージを見るより前の段階で、完全な無色透明ではないにしても、紅茶のイメージカラーである赤茶系とはかけ離れているわけで、帯状の茶色のバックに「TEA」をかなり大きく配置して、アピール、あるいは、ある意味注意喚起していると思われる。
 ただ、小さく「透明なレモンティー!!」と書いた下にある、グラスに注がれた商品イメージの液体の色は濃い黄色だったりする。
 「透明ちゃうやん!」とツッコミ待ちなのかどうかは分からないが、多分、ミネラルウォーター系の青、水色などの寒色系を用いるにはかなり心理的に抵抗があったのではないか、という気はする。
 だからといってどうすりゃいいんだ、という解は持ち合わせていないわけだが。
 もう、いっそ商品イメージでは色を見せずにティーポットとティーカップだけ配してモーニング扱いにするとか、商品名にもっと「透明」であることが直感的に分かれば他の選択肢もありそうかと。
 香り。
 結構いい感じに仕上がっている気がした。
 いやー、いくらなんでも結構うそ臭いんじゃない?とか舐めてかかっていたところもあるかもだが。
 ただ、紅茶党でもないわけで、あくまでしろうとのはなしということで。
 細かい説明をするとすると、何のこだわりもなく水出し紅茶を作ったものと比べて、それから苦味や雑味を連想するものが除かれたような香り、という感じかと思う。
 高級でこだわりのあるのは知らんのでたとえがヘンかもだが。
 あと、ミントの香りもくどくない。
 レモンは、、、分からない。
 最近、私は果汁だろうが人工香料だろうが区別できなくなってるので、入っているのは分かる、ぐらいにしておく。
 で、味。
 うーん。
 名糖レモンティーにレモン果汁感が少しプラスされた感じ、かな?
 名糖レモンティーが悪いわけでは全くなくて、逆に香りが名糖レモンティーのそれと全く違う方向性であることに戸惑うという、ある意味先入観のかたまりによる齟齬ということになるかもしれない。
 名糖レモンティーじゃなくて反対の透明レモンティーなわけで。(←おもんないので○んでどうぞ)
 で、真面目な話、レモンティーを出すということは、当然ブラックティー(既に黒じゃないが。多分、ストレートティーとかプレーン加糖とかと同じだと思う)も出すんだろうな、とか思っていたが、これだと紅茶単体ではどんな味になっているのか皆目見当もつかなかったりする。
 そもそもプレーンティー系が一般小売の清涼飲料水という領域で思った以上に出ない(味や香りの劣化が露骨なこともあるかもしれない。そういうことを言ってた人もいるので。)ことと、「MORNING」というキーワードを商品名にまで入れ込みながらも、どちらかといえばニアウォーター系の飲料を飲むというシーンに合わせた味付けをした結果、こうなったのか、それとも透明紅茶の濃縮ポーションでも作れるぜ、ぐらいなレベルまで技術的な練度がまだ到達していないのか、よく分からないところではある。
 そういう意味では、今後の商品展開に期待、といったところだろうか。
 そのまま立ち消えになったら悲しいけど。

 偶然かどうか、これと同じくして透明のコーヒーも発売されたらしい。
 「CLEAR COFFEE」というのがそれらしいのだが、なんでもスタートアップが数ヶ月で開発しちゃったらしい。
 で、開発したきっかけは歯のステインを気にせずにコーヒーが飲みたかった、ということで、さすがに海外のそういった人たちの行動力には感服する。
 で、翻って、透明な紅茶もステインを絡めて同じような表現が、、、できないのかな、規制の関係とかで。
 ちなみに、他のサイトで「CLEAR COFFEE」は日本での発売はないよ、と書かれていたので、「PREMIUM MORNING TEA」の透明紅茶、「伊右衛門」ブランドで透明緑茶を開発して出して、「CLEAR COFFEE」の販売代理とかをかって出て発売すれば、炭酸、果汁以外の3本柱になるんだけどなぁ、とか夢想して終わることにする。
 いや、まぁ、正直この話と関係なく「CLEAR COFFEE」は飲んでみたいんだけどね。