自己嫌悪

 増田ネタ。
 「アルミ押出材の検査した事あるけど」という、神鋼がらみといえばそうかなぁ、というか業界の話ってことで。
 個人的にマテ系ではなくて粉系とかあとは土木系とかだったので必ずしもその認知がそぐうものかどうかは分からないが、現場って結構限界に近い(とはいえ、それを何十年も最前線で繰り返していれば余裕も生まれるのかも知れないが)し、経時的に労働環境が改善されているとはいえそれでも大変なことは変わりないし、今もそうだと思う。
 また、増田が例示する上からの「歩留まり」の圧力なんてのもかなりひどい(少なくともモノを扱えば形として残り見えてしまうので)のも他の職種とはまた違うところだと思う。
 自身のキャラ的に合う合わないってのもあるだろうが、増田がさらっと書いていることが、個人的にはあおむけでボールを腹に落とされるレベルの緊張と衝撃と痛みの連続だったので、まぁ、私が合ってなかっただけかもしれない。

 それはそれとして、私が多分上から最もどうしようもないゴミクズだと思われていたなんじゃないかと思える特質というのは、極限状態になると何も考えずに生の数字を出してしまうことが1つあったのだろうと思う。
 ここで、そうでなければ改竄をしているのかというとそういう話では決してない。
 三流企業なので私が知らないだけで不正が推奨され常態化していたのではないかと今考えれば思えもするし、それゆえにゴミクズと判断されていた可能性もなくはないが。

 三菱の件でも出ている「過度なプレッシャー」が客観的であるかどうかは関係なく、プレッシャーを認知し行動につなげていくのはヒトしかいない。
 機械だと部品破壊とかスペックアウトを量産するとかそういう方向になるのだろうが、ヒトは各個のスペックが違ううえに必ずしも定格値を出さない可能性もあることを考えると何が「過度」なのかは分かりえない。
 ということで、当人にとっての「過度」を考えると、例えば当人の脆性破壊領域において必ずしも「改竄を行う」という性状を示すわけではないのではないか、という気もする。
 個人的経験上、三流企業ではそういったケースで正直者は無能者となる(そもそも正直者を有能たらしめるには、少なくとも製品が三流であってはならないので)ことから、ヒアリングを行えばそのレベルの高低はあれど、改竄や何らかの不正行為を行っているデータが得られるし、人間工学という観点からもそう書かれていることが多い(専門に勉強したことがないのでよく分からんが)ので、先の様々な性状を示すのが一般的ではないのかもしれないし、適性として問題が起こる以前に組織から効率の名のもとに除去されているのかもしれない。
 個人的に病んでくると、あぁ、死にそう、でも、どうせ死ぬなら対戦車地雷でも踏み抜きたいなぁとか精神汚染されていたのでそっちの方が危険な気もするが、いっそ周囲ごとぶっとばしちゃえ、とかいう考えに対しては、昨今整備されつつある内部告発という手段が代替できそうな気がするのは、あくまで個人的な考え方ではある。
 で、逆に限界点周辺で場当たり的に「改竄を行う」者がいないとは少なからず断定されていることはなさそうなので、逆に考えれば、何がしかの極限状態に近づくような現場とかプロセスが常態化している領域というのは、不正を取り締まるべき立場の者からすれば、目に見えない心のヒヤリハットとして認知しなければならないことだろうと思うし、認知するには結局まさにそこのそれを知らなければ難しいともいえるように思う。

 個人的に、同様の現場では徹頭徹尾ビビリが抜けなかったし、それゆえにいろんなことを考えた末に導いた考えであるわけだが、増田は、新卒の現場研修で場を理解できていることはすごい(うらやましい)と思う。
 製造業の上の方を経験したことがないので何ともいえないのだが、私は、増田のいう『自分の見てた範囲で不正はなかった。』という発言が現場を体感していない者の発言より何億倍も重みがあるように感じた。
 ちなみに、個人的な経験でいえば、現場研修の感想が「あんな3Kなところの採用でなくてよかったわ(笑)」とかいってる者ぐらいしか印象に残っていない。(3Kって時代が分かるなぁ)
 今の製造業なら、私みたいなへなちょこな考え方では門前払いなのだろうなぁ、とか。
 いつもどおり自己嫌悪に陥ってきたので終わる。