食のリスク

 モンサントがバイエルの買収提案を拒否したようだ。(ソース
 とはいえ、記事を読む限り取り付く島のない拒否ではなく、その買収額では応じられないという意思表示に過ぎず、最終的に金額が折り合わなければダメかもしれない、という程度の不調的な意味のようである。
 以前、種苗関係の話でシンジェンタをとりあげたが、強者の同士の統合や潤沢な資金を得ることはできるかもしれないがカントリーリスクを負うことが企業やその企業が相手にする消費者にとってメリットであっても同業全体(ここでは、種苗、農薬事業者)が相手にする消費者全体にとって果たして同じメリットを享受できるのだろうか、と思うことが多い。
 およそ、義務教育レベルでは、寡占や独占の問題点として自由競争による価格設定が行われないため、価格が下がりにくくなるといった下方硬直性を指摘することになっているはずだが、むちゃくちゃ短絡的な考え方をすると、経済がデフレで苦しんでいるなら自由競争を阻害して下方硬直性が起こりやすいように促せばいいわけである。
 某業界の計測データ不正だって、他者と比較して同じぐらいの目標数値を設定しなければならなかったから不正が起こったとするなら比較すら意味がなくなるように寡占化なり独占化して競争しなければいい。
 と、そんなバカな話は当然ないのだが、はたして企業としては目先の判断は別として最終的にどこに向かおうとしているのか、よく分からない。
 有機体としての個人は、多様性とか受容とかが求められているにもかかわらず、集合体としての法人などの人格は、規模を求めて合併を繰り返せば多様性は損なわれ、多様性がなければ受容の必要もなく事業継続性やリスク、セキュリティの管理は行うものの、それは企業にとっての○○であって、その企業が提供する製品やサービスに依存する消費者や関係者に対する○○ではない可能性も高い。
 特に農産物などの有機体側の物理的維持に大きく影響する事業に関しては、企業規模や効率化に伴う柔軟性の除去がリスクの規模を極端に増大させるような気がしてならない。
 とはいえ、こんな話は、少し前のトウモロコシによるバイオ燃料の関係と世界的穀物の不作で穀物価格が高騰したり穀物不足が取りざたされた問題などで散々言われていたことなので、各所の偉い人たちが考えているはずなので、何とかしてくれると信じたい。
 というか、餓死は嫌なりー、とか思ったり。
 まぁ、医師の話だと朦朧としてちっとも苦しくないらしいが、そこに至るまでが限りなく地獄だろうし、、、正直避けたい。そう思う。
 できれば、杞憂でありますように。