今週のお題「家飲み」

 最近こそほとんど酒を飲まなくなったが、家飲み、というか自宅飲みで最終的にビールに収束してしまったのはなぜなんだろう、というのを考えてみた。
 そもそも酒を飲み始めたのはちゃんと法を守る子だったので大学からで、金がないので部屋が広い人の家で宅飲みになってしまうことが多かった。
 そもそも準備するのが面倒なのとほとんど勢いで飲んでいるところがあるので、種類はぐちゃぐちゃ、あてなどほぼない(いくら学生街といえど、今のようにそこかしこにコンビニがあるわけではない時代なので足りなくなったらそのままである)状態で飲むのも日常茶飯事であった。
 私自身、結構ビビリなので、何をどこまで飲んだらダメなのかを試すようなことはしなかったのだが、それでも14オンスぐらいのソフトドリンクのグラスみたいなのに樹氷とコーラを1:1で入れて飲んだら3杯ぐらいで意識が飛んでいた。
 そこで、めでたく自身のしょっぱい限界を知るわけで、カクテルなどの注意事項で飲みやすいので注意するみたいなところも感覚的に自分がどこのあたりなのかというところがつかめたともいえる。
 酒に限らず飲料に関する嗜好としてひとり暮らしをするまで甘いものが制限されていたところもあって、酒に関しても酒らしさというよりは、酒成分を楽しめる何かを当時は求めていたようで、カクテルとかでも甘め、あと日本酒とかだとにごり酒とか果実酒なんかを好んでいたように思う。
 そして、そういった嗜好にあわせるためには、学生ご用達の居酒屋でメイン商品で価格が安めに設定されているビールやチューハイとは違う選択肢となるため、店を選ぶか自ら調達するかということを考えた末、後者になったといえる。
 一方、これまたガキのころに飢えていたのは炭酸飲料で普通には得られない爽快感が魅力的でしょうがなかった。
 およそ、その延長線上にビールやチューハイなどがあるはずなのだが、当時の味覚としてとしてソフトドリンク系よりも爽快感が得られるとは思わなかったため、とくにはまるわけでもなかった。
 ビール系にはまり始めるのは就職してからで、金回りのいい先輩に連れられて学生用の安居酒屋とは違う店に連れて行ってもらえるようになり(まぁ、大学が田舎だったのでそんな店もなかったわけで)、場や料理、目的や雰囲気などであうお酒の中にビールもあるじゃん?という感覚ができ始める。
 この考え方の変化は、商品の廻りが速くサーバーも適切にメンテナンスされ注ぎ方の講習を受けてよりよい状態で提供することを目指している店であれば、基本的に同じ生ビールのタンクでも味が変わるという話で、結局のところ経験不足だった、ともいえる。
 とはいえ、そこから国外のビールとかどんどんくだらない狭い領域に手を出し始め、家飲みは少なくなり、いつしかうんちく太郎になってしまった。
 そうこうするうちに金回りも悪くなってきて、そんなところにカネを掛けられなくなってくると結局家飲みに回帰し始める。
 そうなる前は、ビール類は外食、ワイン、果実酒、焼酎、ウイスキー、日本酒は基本的に味が分からないのでほそぼそとそれっぽいあてとか料理にあわせて家飲みする形になっていた。
 そもそも、もらいものとかあっても、牛丼とたくわんでワインを飲み、草もちをあてににごり酒を飲むとか料理に使ったあとについでにウイスキーを飲むとか(いわゆるキッチンドランカー)酒に失礼だと言われかねないことしかしてなかったりだったが。
 その失礼がたたったのか、安くどこででも手に入るという意味で購入時のストレスになりにくいのは結局ビール系なわけで、ビール以外は飲まなくなっていったというのが、ある意味私の一生の流れに近いものだろうと思う。
 では、あてはどうなのかというと、様々な遍歴はあるものの、最終的にはビール+何でもいいという形になってしまった。
 どうも先入観に左右されるようで、およそ植え付けられた酒のジャンルそれぞれのイメージが確定的に寄与しているっぽい。
 ワインやらウイスキーやらはこんな感じでこんな雰囲気で飲んでいるみたいなものをなぞると、結局何を食おうとこの酒であればいいという形になかなか落ち着かない。
 で、唯一何でもよくなるのはビールだった。
 というのも、アメリカ映画とかで水がわりに飲んでいたりするのが結構恰好いいとか思ってしまう西洋かぶれを起こしていた時期があったので、結局、あれは水だ、という意識がどこかにあるのかもしれない。
 甘味系でビールを飲んでいると変態扱いされた話を過去に書いたが、一部の露骨な味覚減退(もしくは麻痺)系の味付けになっているビールを除けば、問題ないように個人的には思う。
 家飲みというかキッチン飲みだと、ごま油+塩を舐めながらビールが飲める人なので、まぁ、そこは推して知るべし的なところかもしれない。
 とはいえ、最近は飲まないので何となく記憶の彼方だ。

 あと、失敗談は、特に思いつかない。
 というか、家飲みで失敗したところでよほどのことがない限り自分に跳ね返ってくるだけなので。
 それよりも駅員さんに迷惑をかけるとか乗り過ごして1時間ぐらい歩いて帰るとか外飲みの方がよっぽどひどいので忘れているのかもしれない。
 失敗談ではないが、梅酒がどちらかといえば嫌いなのは、私がガキのころに親が作って何年も放置して物置に異臭が漂うほぼ黒に近い赤褐色物質が嫌だったのがトラウマになっているのかもしれない。(一応、他者の失敗なので)
 よくよく考えたら、自分では果実酒(浸潤酒)を作っても梅酒は作らないよなぁ・・・。
 うーん、今気づいた。