カカオ
とりあえず、喪が明けた(?)みたいなので、チョコレート関連の話でも。
なんというか、その期間は、それ系の話題がダメな雰囲気が身の回りにあるので。
少し前のニュースで、チョコレートのOEM生産を主に手がける平塚製菓が国産カカオのチョコレートを披露したというのをやっていた。
この手の食品について聞きかじったことがあれば聞いたことがあると思われるが、生産可能な地域の北限(南半球で言うと南限)というのがあり、コーヒーならコーヒーベルト、カカオならカカオベルトと呼ばれている。
コーヒーベルトは25°、カカオはさらに狭く20°と言われており、チョコレートを商用生産できるほどの「国産カカオ」と聞いて、とうとうカカオベルトをぶち破る品種改良種が作出される時代がきたか!とwktkしたのだが、何の事はない、小笠原諸島でさらにハウス栽培だった。
小笠原諸島が北緯20°〜30°付近なので、カカオベルトから外れているとは言え、とんだ肩透かしである。
商用レベルでないものなら沖縄本島でもハウス栽培の成功例はあるらしいし。
和歌山や宮崎で路地栽培開始とかなら、私は自転車で今すぐ見に出かけるレベルではしゃぎそうな気がするが、世の中そんなにドラスティクではないらしい。
で、そもそもなぜ国内でカカオを生産するのかというと、ニュース内ではカカオマスの価格高騰を挙げていたが、国内のカカオマスの輸入量をまかなうほどのカカオを栽培することはあまりにも現実的ではないし、単純に価格面だけでの競争力があるわけでもない。
ただ、昨今のビーントゥーバー(カカオ豆から板チョコまでほぼ同一工房内で一貫生産すること)の人気と付加価値を考慮すれば、消費者に対してそれなりの訴求力があるのではないかというところが狙いなのだろうと思う。
ビーントゥーバーは、確かにうまいし製作者によって違いが楽しめるといった地ビールのような楽しみ方が可能で、多様性という意味でいいことだとは思うが、個人的なトラウマからいうと、与えられなかったがゆえに、ちまちま食うよりも無造作にぼりぼり食うことが至高と感じてしまう関係上、それに執着しようという気が起きない。
あと、カカオの価格が上がっているのは事実なのだが、そもそもこれまでのカカオの価格が同じ地域で生産可能な他の農作物に比べて安すぎるために、カカオ栽培農家が転作しているという事情もある。
需要と供給の関係で致し方ないことだとは思うが、その工程の面倒くささを考慮すれば、もっと高価でしかるべき食品なのかもしれない。
工程の話が出たので、それに関連した話だが、「チョコレートは納豆と同じ食べ物なんだぜ?」としたり顔で切り出す者がたまにいる。(誰とは言わないが、身にに覚えがあるなら(ry。)
単に、カカオ豆を発酵する工程が存在するため、どちらも発酵食品であるというだけのことである。どうせなら同じバナナの葉に包んで発酵させるテンペとぐらい言って欲しいものだが、さすがにそんな話を耳にすることはない。(テンペも納豆と同じインドネシア周辺の大豆発酵食品。個人的には形状もあるかもしれないが納豆より食べやすいように思う。)
個人的に一度は食べてみたいなぁ、とうっすら夢想しているものの中に、カカオ系列のものが2つある。
まず、生カカオ(カカオポッド)を割った状態の生カカオ豆を食べてみたいということである。
実際は、豆自体ほとんどがチョコレートの原料となる部分なので、その周りにからまっている程度のカカオパルプという部分を食べることになるのだが、どんな味か想像できない。
聞いたところによると、ブラジルとかではカカオパルプの冷凍パックが売っているらしい。
すごくあこがれるところである。
2つめは、カカオ酒。
酒好きの方だと、カカオワインのことじゃね?と思ってしまうかも知れないが、カカオワインはカカオ豆にワインを浸漬させて発酵させたもの(カカオリキュールも乱暴に言うと同じ)だが、カカオ酒は、生カカオ豆の発酵時に析出するアルコール溶液である。
基本的に自家消費されてしまうものらしく、カカオリキュール系の飲料と比べてどれぐらい違うのか興味が尽きない。
とはいえ、生カカオ(カカオポッド)さえ手に触れたことがないのが今の状況なので、その道のりは遠く果てしない。