ファイアはファイアなのか

 アンテナが向いていなかったためか、キリンのファイアがこの10月あたりから順次リニューアルされていたらしい。
 去年のリニューアルで社長が息巻いていたんとちゃうかなぁ、どうなってるんだろう、とか思ったし、激烈売れているというニュースは直後に見かけたりしたのでうまくいっているのかと思ってたのだけれど。
 調べてみたら、売れていた「エクストリームブレンド」だけは残すらしい。
 1年程度という、さほどビッグでもないビッグデータと呼ばれるものから導けば、メーカーとして適切な朝令暮改なのだろうけども、一部メーカーがやっているような製造本数固定、通年販売だけど売り切れたらまた来年アレンジして出すみたいなのと変わらないような期間としての扱いに似るであれば、もはやブランドコンセプトがどうのとかいいだすと、そんな後付けくさいのが必要なんだろうか?とか思ったりはする。(コストという意味だけではなく)
 というか、ニュースリリースを読んでいて『「癒しの火」をコミュニケーションテーマとして』とか『お客様が缶コーヒーに求める情緒価値として「活力」よりも「休息」、「癒し」が高いことが分かりました』とか、ファイアにこじつけるにもかなりつらいところに来てるなぁ、とか。(個人的にはエモーショナルバリューとかいわれ始めると、大丈夫ですさようなら(キャッチから逃げる下手な常套句)と立ち去る気がするレベルで食傷気味なので)
 何となく、コンセプトデザインをSNSとかの動向といったデータから割り出したっぽい書きぶりなんだけど、本質的にSNSといった震源やその伝播が時間的概念をもって可視化できるデータ群を具体的製品で網羅するもしくは追随するとすれば、もっと細かい時間単位で流動的に変更する必要があると思うのだが、こういうのを考えている人は具体的商品のブランディングと商品の特性(主に制約側)とをどう考えているのだろう、とか。
 で、まぁ、そんな情報群と格闘することが自立的他律的に関わらず求められる時代に、よく似た仕事を私はすでにやってなくてよかったとか思ったり。
 いずれにせよ、ファイアって「火」ばかりではないわけで。
 単にファイアされたってことなんかもしれないし。