麦茶
多分前世紀あたりにカゴメの六条麦茶(現、アサヒ飲料)がいやだなどとほざいていた時期もあったりしたが、自ら味になどこだわりはないといいつつ、実際はあるんだろうと認識させられてしまうのは、単に幼少期に飲む機会が多かったからなのかもしれない。
で、当時の六条麦茶の何がいやだったかというと香りが強く長く続きしすぎることと、多分香りの強さに起因するのだろうけども、がぶ飲みできるようなさらっと感(今で言えば、ニアウォーターのような方向性)がないことだったように覚えている。
あれは、ホットでちびちび飲むのならいいけど、夏に飲むには重い、そんなように感じていたものである。
で、今回遅ればせながらむいた麦を使用したことが売りのキリンの麦茶を飲んでみたのだが。
まず、なかなか買う気になれなかったのは、これだけ各社がやっきになって発売しているのになぜ透明にしなかった?という。
と、それは半ば冗談として、およそ先の六条麦茶に連なるこがしっぽい強烈な香ばしさが極端に少ないために、その落差を同じ麦茶という商品名の表記だけで受け入れてもらえるものなんだろうか、というのが最初の感想だったりした。
味全体としては、水出しっぽいゆったりした感じでありながら、手製でやっつけるとねばりけのような雑味が出てしまいがちなところを感じさせないのがすばらしく思える。
ただ、先述のとおり香りを抑えているので麦自体の何と表現したらいいのか分からないのだけれども、穀物臭さというか草っぽい生臭さが残るのが受け入れられるんだろうか、とか思ってみたり。
それはビールメーカーだからこそ本来の形だと思えてしまったのか、およそほとんどの製品は自社工場ではない(この麦茶がどうかは分からない)がゆえのばらつきというレベルの個体差なのか。
いずれにせよ、個人的には、こういった商品をある程度の頻度で出すのがキリンらしさだと思うんだけど、どうなんだろう。
なかなか許されない世界なんかなぁ。